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実践!生産革新道場:第342回:ミスの発生時には誘発要因を考えさせて再発防止を行え


1:傷によるクレームが発生した

ある工場で生産性向上の指導を行っていたところ、ラインから外れたところで数人の作業員が作業を行っていました。「あれは一体何をやっているのだ」と管理者に質問したところ「実は客先から製品に傷があるとのクレームが来たのです。そのため在庫品の修正作業を行っているのです」と言い出しました。私は「この製品は全数目視検査を行っているはずだ。検査で発見できなかったのか」と質問したところ「先程クレームが来たばかりなので、詳細を確認していません」とのことでした。私は対象ロットの目視検査のデータを確認したところ、おかしな記述がありました。「クレーム対象ロットに何か書いてあるぞ。読んでみなさい」「不良発生のために5箱、と書いてあります」「5箱とはどのような意味か。不良品を5箱保管したという意味か」「多分、そうだと思います」「これを書いた人に確認しなさい」「夜勤者ですから、今は不在です」「それではこの5箱は今どこにあるのだ。検査の担当者に確認しなさい」


すぐに検査の班長がやって来たので、事情を聴くと「夜勤で傷の全数不良が発生しましたが、QAが不在で判断できなかったため、検査を中止して5箱分の不良を一時保管したのです」と説明しました。私は「その5箱は今どこにあるのだ」と聞いたところ「QAに傷の不良を判断して貰ったところ、合格と言われたので今朝出荷しました。しかし午後になって客先からクレームが来たのです」とQA の判断に問題があったと言い出したのです。しかし班長の様子を見ると何か隠していそうな雰囲気だったので、 QAを呼び出して詳細を確認することにしました。


2:班長のミスで不良品を出荷した

QA の担当者を呼び出して班長と一緒に詳細を聞き出したところ、次ぎの事柄が判明しました。


判明した事柄

1:今回のクレームは製品の表にある傷だが、夜勤の検査員はこの傷を発見していた。夜勤は QA が不在のため、合否判断が出来ず検査を中止して5箱分を保管した。


2:班長が出社したところ、作業員から「全数傷の不良が発生した。QAに合否判断をして欲しい」との報告を受けた。班長は以前、製品の裏に傷が発生してクレームとなったことから、今回も製品の裏に傷が発生したと勘違いしてしまった。


3:班長はQAに製品の裏にある傷を見せて、合否判断を依頼した。QAは「この程度なら問題なし」と合格と判断したため、班長は作業員に5箱の出荷を指示した。


3:ミスの誘発要因を考えさせろ

管理者は「これは班長のミスです。すぐに注意します」と言い出しました。私は「どのように注意するつもりだ」と質問すると「今後はミスをしないように、良く確認しろと注意します」と答えました。「何をどのように確認するのだ」と突っ込むと、管理者は黙ってしまったのです。私は「単に注意しろ、確認しろと言うのは、相手は何をすれば良いのか分からない。再発を防止するのであれば、今後、何をすべきか具体的な行動を示す必用がある」と指摘しました。そして「再発防止のためには原因究明が必要だ。確かに班長のミスであるが、そのミスを誘発した要因を解決しないと再発するぞ。今すぐミスが発生した要因を協議して書き出しなさい」と指示したのです。すると次のような要因が上がってきました。


ミスを誘発した要因

1:不良のデータに傷の詳細を記入していなかった。

2:製品箱にも傷の詳細を表示していなかった。

3:作業員は班長に「傷の不良です」などと詳細を報告していなかった。

4:班長も作業員に傷の詳細を確認していなかった。

5:班長は過去のクレームの体験から傷は裏側に発生していると先入観があり、表側を確認することを怠った。

6:QAも裏側の傷だけを確認して、製品の全体を確認していなかった。


ミスを誘発した要因がまとまったので、私は「これらのミスを誘発した要因の対策を考えなさい」と指示したのです。管理者たちは協議を行い「データには傷不良の位置を記入する」「班長は不良の確認時には必ず作業員に現物を見せて確認する」などの、具体的な行動がまとまったのです。このように先入観による判断ミスを防ぐには「注意する、確認する」などの抽象的な言葉ではなく、具体的な行動をまとめて指示することが大切なのです。