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                    2000年は上杉鷹山に学ぶ

 

新年明けましておめでとうございます。今年も「実践!管理者心得」を日系企業の駐在員の皆様に役立つコラムにするよう努力して行きますので、よろしくお願いいたします。

バンコク日本人商工会議所のアンケートによると、99年度の売上額が「増加する」と見込む企業の割合は66%となっており、今年も明るい年になりそうです。しかし市場が求めるコストダウン、品質レベルはすさまじい勢いで高まっており、読者の皆さんも2000年代をどのように生き残り、業績を上げて行くかに専心されていると思います。

私たちを取り巻く経営環境の厳しさは各社が生き残りを掛けてお互いに切り合い、殺し合う戦国時代とも言えます。時はまさに非常時ですから、もし管理者が平常時の意識でのんびりと管理を行なっていれば会社は潰れてしまいます。私もこのような激動の中、企業が生き残って行くためにはどうすれば良いのかを自分なりに模索していますが、やはり非常時に素晴らしい管理を行ない、組織を再生させた先人に学ぶ事が大切です。

日本の歴史上、非常時に采配を振るった優秀な人物はたくさんいますが、非常時に崩壊した組織を立て直し、活性化した人と言えば上杉鷹山です。私は2000年代は上杉鷹山に学ぶ時代ではないかと思います。上杉鷹山は一時期、日本でも「リストラの神様」(本来のリストラの意味であり、首切りの神様と言う意味ではありません)「非常時の危機を乗り越える理想のリーダー」として大変もてはやされましたから、ご存知の方、研究された方も多くいらっしゃると思います。

彼の経営手段、管理手法は日本人のみならず世界に立派に通じるものであり、時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディをして「私の尊敬する日本人は上杉鷹山である」と言わしめたのはあまりにも有名です。(しかし、この質問をした日本人記者団の中に誰も上杉鷹山を知っている人がいなかったと言う情けないエピソードもあります)

私は今年の年賀状に次の上杉鷹山の言葉を入れて送りました。

「為せば成る。為さねば成らぬ、何事も。成らぬは人の為さぬなりけり」

この言葉は皆さんも良くご存知だと思います。年配の方は「この言葉は東京オリンピックで東洋の魔女を率いた大松監督の言葉ではないか」と言われる方が多く、実際に監督は「為せば成る」とのベストセラーを出しています。しかしこれは上杉鷹山の言葉であり、彼はこの言葉の通りすさまじい信念で組織の活性化を行い、崩壊した組織を立派に再生させました。

未来が不透明で自社が進むべき方向を模索している時にこそ、過去に学ぶ事が大切です。現代経営管理学はご存知の通り「フレデリック・テーラー」「ジョージ・メイヨー」「アブラハム・マズロー」「ダグラス・マグレガー」「フレデリック・ハーズバーグ」の系列になっており、近年では「ピーター・ドラッカー」「トム・ピーターズ」なども含まれると思いますが、全てがアメリカの人ばかりです。

歴史上の工業化の流れから正規の経営管理学に日本人は取り上げられませんが、日本人の祖先にも優秀な管理者は数多くいたのです。そしてこれらの管理手法は日本人である我々に適しており、納得でき、使いやすいのです。このような激動の年だからこそ、我々の先人が残してくれた経営管理を勉強して生かして行くべきだと思います。