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       日本の品質管理の歴史を振り返る(その3)

 

先日、商工会議所で行われた日系企業の集まりに招かれて日本人管理者の心得に付いて講演を行いました。この時の講演では日本人管理者の模範とも言うべき歴史上の人物「上杉鷹山」を取り上げました。

上杉鷹山は数年前に「管理手法の神様」としてマスコミに取り上げられたこともあり、ご存知の方も多いと思います。私もこの時の講演のために改めて内村鑑三著「代表的日本人」などを読み返した他、多くの資料をまとめましたが、本当にものすごい人物だなと感激を新たにしました。

財政赤字で崩壊寸前の米澤藩を一代で立て直したその管理手法は現代の私たち日本人管理者が学ぶべき点が数多くあります。アメリカのケネディ大統領が来日した時、日本人記者団が「大統領が最も尊敬している日本人は誰ですか」との質問に、即座に「それは上杉鷹山です」と答えた話はあまりにも有名です。卓越したリーダーシップで大国アメリカを率いたケネディ大統領にして、上杉鷹山の管理手法に心酔していたことが伺えます。ケネディ大統領の発言、行動を調べて行くと鷹山の影響を受けているなと思わせることが多々あります。

戦前の日本の学校では「修身」の科目があり、その中では二宮尊徳が一番多く扱われていますが、2番目は上杉鷹山です。戦前の日本人であれば誰でも上杉鷹山は常識として知っていたのです。「温故知新」という言葉ありますが、欧米の管理手法を学習するばかりでなく、我々自身の祖先にも上杉鷹山や恩田木工など優れた管理者が多いことを認識してそれらを学んで行くことも大切です。私も上杉鷹山についてはこれからも講演会などでご紹介して行きたいと思っています。

さて日本の品質管理の歴史ですが、前回はデミング博士のセミナーについて説明しました。1950年代の初めにデミング博士の尽力により日本全土に広がった品質管理ですが、当初は意外にも多くの反発が起こりました。まず現場では次のような反発が起きたのです。

従来、経験と勘で行ってきた熟練労働者から「統計的方法は使えない、役に立たない」などの感情的な反感が吹き出しました。

品質管理に必要な作業標準、検査標準がほとんど整備されておらず「時間がなくて標準をまとめることができない」「標準などなくても工場は運転できる」などの反発もありました。

品質管理に必要なデータを取ろうとすると作業者から「作業を監視しているのではないか」との反感も出てきました。

また品質管理を指導する側も次のような問題がありました。 品質管理の重要性を強調するあまり、現場に「品質管理は難しいもの、めんどくさいもの、何か恐いものである」との印象を与えてしまいました。

標準類、規格類は作成しましたが、これらを実際に使って行くとの発想がなく、紙に書いただけの形式的なものに終わってしまいました。

「標準化とは規則で作業員を縛り付けることである」と間違った理解をしている人もいました。

このように日本では品質管理導入時に指導する側と現場の両方でいろいろな混乱が起きたようです。この混乱は約50年前の日本の話ですが、現実問題として皆さんの会社や工場ではいかがでしょうか。このような50年前に日本で起きた同じような問題が日常的に起きているケースも多いと思います。それでは日本並みの品質管理の状況まで持って行くにはあと50年も待たなければいけないのでしょうか。

そういう訳にはいきません。日本が50年掛かってきて積み上げてきた品質管理手法を一刻も早く現地の管理者、現場の作業者に理解してもらうには日々の教育と管理が絶対に不可欠です。