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        日本の品質管理の歴史を振り返る(その2

 

当社は社員教育のコンサルタント業を行っているため、私は顧客先の日系企業のQC発表会に出席することがよくあります。ある発表会で「不良を減らす解決方法」をテーマに優勝したチームの発表を聞いていたときのことです。

私は「このチームは優勝したのだから、さぞかし立派な解決策が出たのであろう」と期待して聞いたのですが、優勝チームは不良が出る原因は「作業中に眠くなるからです」と指摘、その解決方法として「社員は夜遊びをしない」「社員は夜10時までに寝る」と発表したため、仰天したことがあります。さすがに発表会に参加しているタイ人社員もこれを聞いて「そんなこと誰も守るはずがない」とばかりゲラゲラ笑っており、知らぬはタイ語を理解できない日本人管理者ばかりと唖然としました。「夜遊びしない。早く寝る」の解決策でQC発表会で優勝、会社から賞品を貰っているのですから、QCサークルもよほど慎重に進めないと意味がなくなってしまいます。

また別の企業の発表会では発表者が一人で説明するのではなく、チームのメンバーが質問してそれに答える形で説明したり、交代で説明したり見ている人を飽きさせないように工夫していました。それはとても良いことだと思うのですが、明らかに聴衆に「見せる」工夫の方に力を入れており、解決策よりもいかに「見せる」かに一生懸命力を入れていました。この発表を聞いている人たちも難しいことを説明するチームより、解決案の内容はともかく見てて面白いチームの方に投票する傾向がありました。これなどはQC発表会の意味を社員全員が勘違いしているケースといえます。

QCサークルはボトムアップが基本ですから、末端の従業員までQC的な発想を根付かせる必要があります。正直なところ、ご存知の通り班長クラスの監督職ですら「自分の仕事を改善しろ」「歩留まりを上げるためのアイディアを出せ」と指示しても、当人は何をどうしてよいのかさっぱり分からず、結局は改善のためではなく上司を適当にごまかすために、苦し紛れの適当なアイディアを持ってくるのが現実です。まして一般の従業員は自分の作業を自分で改善しようなどは夢想すらしたことのない人たちです。これらの人々を対象にボトムアップでQC的な発想を根付かせQCサークルを進めて行くには大変な根気と指導が必要です。

日系企業の中にもタイ人管理者にQC手法の基礎をさっと教えて「あとはタイ人管理者に任せた」との企業もありますが、このような企業は大概、先ほどの発表会のような結末に終わってしまいます。やはりタイ人社員にQCの基礎をしっかり教えて常識的な発想、解決案が出てくるレベルまでは日本人管理者主導で進めて行くことが大切です。

さて日本の品質管理の歴史ですが、1950年に入るとデミング博士が来日します。デミング博士は日本科学技術連盟が開催した8日間のセミナーで「統計的品質管理」についての講演を行いました。また博士は「デミング、サイクル」(のちに発展してPDCAのサイクルの原形となる)の考え方を導入しました。

デミングサークル:

1「設計」: 何を作るかの品質基準を決める。そしてそれについてどのように作るのか作業標準を作りだす。

2「製造」:品質基準と作業標準を従い、製造を行う。

3「販売」:出来上がった製品を市場へ売り出す。

4「調査、サービス」:市場へ販売された商品がどのように受け取られているか、消費者の商品の品質についての評価を調査する。また不具合があればそれをアフター、サービスすることにより各種の品質情報を入手、これを参考にして新しい品質標準、作業標準を作る。

デミング博士は企業が顧客を満足させ、より良い品質を作るためには市場調査、製品開発、生産、販売の間に相互の協力が不可欠であり「品質第一」の考え方と責任を持つことが大切であると強調しました。博士はこのプロセスがきちんと確保できれば、その企業は消費者の信用を得て繁栄することができるとも訴えました。

デミング博士は50年代に数回、来日していますが、日本人がQCの手法を熱心に取得しようとする姿勢を見て「日本は近い将来、高品質の製品で世界市場を席捲するであろう」と予言しました。