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  実践!生産革新道場:特性要因図は作業員と管理者で分けて書かせろ

 

1:QCサークルの効果がない

私の定期研修先の日本人駐在員から次ぎのような相談を受けました。「工程内不良が減らないために、3ヶ月前から現場の班長中心にQCサークル活動方行わせています。しかし不良率に変化は無く、効果が出ていません。活動を行っても、不良が減らないのは、特性要因図などの使い方が正しくないからだと思います。今回の研修で班長たちにQCサークルの問題点と対策を協議させて下さい」

 

2:自分の問題に気が付いていない班長

研修には各チームのリーダー役である班長が集まっていました。製品の傷を減らす活動に取り組んでいるチームを取上げて特性要因図を確認したところ、定石通り4M(人、機械、方法、材料)の項目に関して不良発生の要因が書いてありました。人の項目を見ると「作業員に新人が多い」「作業員が頻繁に変わる」などと、大ざっぱに書いてあったのです。

 

私は班長に「新人が多いとか作業員が頻繁に変わるなどは、当たり前のことではないか。新人が多いとどのような問題が起きるのか。作業員が頻繁に変わると何が問題なのか。問題点を詳しく書きなさい」と指示してディスカッションを行わせました。班長たちは意見を出し合って次のようにまとめました。「新人や交代者が教えた通りにやらない」「新人や交代者が作業標準書を守らない」班長たちは「私たちが作業を教えても、新人や交代者は教えた通りにやってくれないのです。だから傷の不良が減らないのです。」と口々に意見を言いました。私は「それでは今から現場に行き、問題点を確認しよう」と傷不良の発生率が一番高いラインに行き、班長に作業の様子を観察させました。

 

3:特性要因図は管理者の問題も書かせろ

班長たちは現場の様子を観察しながら「作業標準書を掲示していない」「製品を取り出すごとにエアーブローでジグを清掃するルールを守っていない」などの問題点を特性要因図に書き足したのです。班長たちは「やはり作業員が悪いから傷不良が発生していたのです」と言い出したので、「それはとんでもない間違いだ。班長が作業員を正しく管理していないからこのような問題が起きるのだ」と指摘したのです。

 

私は班長を集めて次のように説明しました。「君たちが書いた特性要因図は作業員の問題しか分析していない。班長による問題もたくさんあるはずだ。作業員がルールを守っていないのは、班長の作業の教え方が悪いかもしれない。作業員がルールを守っていることを班長が確認していないのも問題だ」班長たちは作業員がルールを守っていないのは、自分たちの管理が悪いからだ。と気付き始めました。そこで私は「特性要因図の人の項目は、作業員と班長で分けて書きなさい」と指示したのです。

 

班長たちは「班長が現場で作業標準書を掲示していなかった」「班長は新人や交代要員の教育をルール通りに行なっていなかった」「作業員が作業標準書を守っているか、班長が確認していなかった」などと、自分たちの問題を書き始めたのです。特性要因図に班長の問題を書き終えたあと「QCサークル活動では作業員ばかりが悪いと思っていました。私たちが教えても守らないのは作業員のせいだと思っていましたが、このように特性要因図に書いてみると、私たちの問題もたくさんあることが分かりました」と自分たちの問題点が理解できたのです。私は「それでは、班長の問題をどのように対策するか協議しなさい」と指示したところ、活発なディスカッションを始めたのです。

 

QCサークル活動などで使用する特性要因図の人の項目は、作業員の問題しか書かないケースが多いのです。自分たちの管理の問題に気付かせるためにも、人の項目は作業員と管理者に分けて書かせることが大切なのです。