UNIVERSAL VIDEO COOPERATION CO.,LTD

899/307 Nantawan Onnut Onnut Rd Pravate

Bnagkok 10250 THAILAND

TEL:(02)349-6110

FAX:(02)349-6111

 

実践!生産革新道場:第337回:生産性向上のために他部署への責任転嫁を防げ

 

1:部品の欠品でライン停止が発生

ある工場で生産性向上の指導を行っていると、作業員が手待ちをしているラインがありました。私は管理者に「あのラインでは多くの作業員が手待ちしており、ラインが止まっているぞ。一体何が起こったのだ」と質問すると、管理者は慌ててラインの班長に確認をしました。「部品がまだラインに投入されていないのです」「ラインはいつ動くのだ」「このラインに投入する部品は事前に3つの部品を組み合わせる必要があります。現在その作業を行っているので、それが終わり次第ラインに投入します」「私は何時にラインが動くのかと聞いているのだ」管理者は再び班長に確認すると、「全部終わるまであと3時間ぐらい掛かるそうです。3時間も待つことは出来ないので、出来たものからラインに投入して直ぐに動かします」私は「部品を事前に揃えておくなど当たり前のことではないか。一体なぜこのような問題が発生したのだ。そしてラインが停止した責任は誰が負うのだ」と管理者を詰問しました。そして班長には「なぜ作業開始前に部品が足りないことが分らなかったのか」と尋ねました。班長は「私は作業開始前にチェックリストで全ての部品が揃っていることを確認しました。ところが作業の開始直前に突然、この部品を取り付けることが分かったのです」と言い出したのです。

 

2:欠品した理由とは

私は管理者に「班長がチェックリストで確認したにも関わらず、なぜ部品が揃っていなかったのか。そしてなぜ班長がこの部品を付けることを知らなかったのだ」と詰問しました。そして関係者を集めてインタビューを行ったところ、次の事柄が判明したのです。

 

判明した事柄

1:この製品は従来のマイナーチェンジであり、従来品との違いは今回欠品した部品を取り付けることであった。

 

2:新製品やマイナーチェンジの製品を生産する場合には、生産技術の主催で事前に関係部署を集めてミーティングを行うルールがあった。

 

3:生産技術の担当者は今回のマイナーチェンジは従来品とほぼ全て同じなので、ミーティングを行わなくても問題は無いと考えた。

 

4:班長はマイナーチェンジあることは知っていたが。上司から指示がなかったため、従来品と同じだろうと判断して従来品のチェックリストを使用して部品の確認を行っていた。そのため部品の欠品に気が付かなかった。

 

3:責任転嫁を論破して反省させよ

管理者は「ルール通りにミーティングを行っていれば、このような問題は発生しませんでした。生産技術がミーティングを行わなかったのが問題です」とあたかも生産技術に全責任があるような言い方をしたので、私は「確かに生産技術が勘違いしたのは問題だ。しかしミーティングの確認をしなかったお前にも責任があるぞ」と指摘しました。そして他の管理者も集めて下記の事柄を説明したのです。

 

1.チームワークで協力して仕事を行う

会社は多くの人がチームワークで協力して働いています。管理者は多くの仕事を抱えているため、時々重要なことを忘れたり、勘違いすることもあり得ます。もし相手が忘れているなと思ったら、こちらから確認することが協力して働くために大事なのです。ミーティングの連絡が来ていなければ、相手が忘れた可能性を考えて確認することがチームワークなのです。

 

2.管理者が率先してルールを守る

会社には多くのルールがあり、全員がこれを守ることによって成り立っています。「マイナーチェンジでもミーティングを行う」とのルールがあれば勝手な判断をせず、必ずこれを守る必要があります。管理者は「ミーティングの連絡が無いのだから、ミーティングは必要ないのだろう」などと自分の思い込みで勝手に判断しないようにします。

 

このように管理者が「ミーティングの連絡がなかったので、行わなかった」などと他部署への責任転嫁を行ったら「チームワークで協力する」「管理者はルールを守る」との論法で相手の言い訳を論破することが大切なのです。