◆講師履歴
1986年
国際協力事業団の派遣事業である青年海外協力隊に参加、スリランカの教育省にて視聴覚教育(ビデオ教材作成、ビデオによる教育、研修)のインストラクターとして2年間従事
1989年
タイ国ランプーンにある北部区工業団地の工場設立のために出向、以後立ち上げから5年間、工場管理を行う。
1994年
現地管理者教育を目的とした教育、研修会社であるUniversal Video Coperation Co.,Ltdを設立。下記の業務を中心に活躍している。
1:依頼先工場の現地管理者への現場指導による研修
2:管理者教育ビデオの政策、販売
3:NNA(ニュースネットアジア)で毎週金曜日「実践!生産革新道場」の連載中
4:マザーブレインに毎月「実践!管理者心得」連載中
5:メールマガジン「実践!管理者心得」を定期配信
1:実践!管理者心得 (COMM出版社)
今日から現場で使えるノウハウを紹介しています。
2:さらに良くなる管理術(COMM出版社)
「このままではうまく行かない、しかしどうして良いのか分からない」
この本はこのように感じている方々に読んで頂きたいと思っています。
叱り続けて20年以上。工場管理の“鬼” が目指すものとは?
Mr. Takeshi Tachikawa(立川 剛氏)
Universal Video Corporation Co., Ltd.
私は20年以上にわたり、タイを中心に管理者の管理能力の改善、それによる生産性の向上を講師として実際に工場の現場に伺い、指導を行っています。来タイ前は、青年海外協力隊としてスリランカでビデオ教材作成・ビデオによる教育・研修といった教育に従事しました。その後当地に出向し、自らも管理者として工場の立ち上げ、管理に携わっていました。
私は、いわゆる世間一般で言われる「講師」とは違います。もちろん数多くのセミナーに呼んでいただき、「5S活動」を積極的に皆様にご紹介をしています。しかし、私のライフワークは「実際に工場に出向き、第3者として現状を的確に、そして徹底的に追及すること」なんです。口でアドバイスすることは誰にでもできるし、教えたことを理屈で理解するのも容易です。大事なのは、その情報をインプットした後の「アウトプット」なんです。私は、指導の現場で男女の分け隔てなく管理者を叱責し、とことんまで自分の非を認識させ、そしてしっかりと反省させ、改善のための答えを自分で考えさせます。そうやって少しずつ管理者として自立していくんです。もちろん中には泣いてしまう女性や、プライドをへし折られ辞めてしまうローカルのスタッフもいます。厳しいようですが、そういった人に現状レベルで管理者として居てもらっても、駐在員の方にも得はありませんよね?
処世術と言われると正直、そんなにありませんが……(笑) 前述のとおり、私の仕事はあまり前例がなく、今でも自己紹介をする時に少し困ってしまいます。「講師」や「コンサルタント」とも違いますので。せっかくなので処世術の代わりに、工場管理指導のプロとして駐在員の方にお伝えできることを……。上に立つ者として「なめられないこと」、「隙を見せないこと」です。そのためにも養うべきは、間違いやミスをしっかり見破る力です。だから、口だけの指導ではなく、実際に現場に赴き、自分の目で確かめ、細かく指導を行ってください。もちろん、異国の地でその国や人々の文化に敬意を払うことはとても大事です。しかし、一歩工場や仕事場に入れば特別扱いは不要なはずです。前述のように、私は男女平等に厳しく叱り、間違いを指摘します。「タイ人だから」とか「イスラム教徒」だからといった考えはビジネスにおいては重きを置くべきではないと思うのです。
生産性向上に終わりはありません。長年にわたって指導しても、次々と新しい課題が山積していきます。それは、言い換えれば伸びしろであり、お客様からの要求がどんどん上がっていっているということですからね。つまりは私の“喝”もまだまだ続いていきます。