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管理者に3現主義を理解させる手法

 

1: 管理者が3現を守っていなかった

ある工場で品質問題が発生していたため、管理者に理由を質問しました。管理者は「今回の問題は再発です。原因は前回指示した対策を現場で守っていなかったからです」と説明しました。私は現場に行き班長を集めて「前回の対策を守っていなかったが、その理由は何か」と質しました。班長は「あの対策を守る事は時間的にムリです。管理者が現場を把握していないからムリな指示ばかりするのです」「問題発生時に管理者は現場に来たことがありません。現場の状況を知らないのです」などと言い出しました。私は管理者に「なぜ問題発生時に現場に行かないのだ」と詰問したところ「現場に行かなくても、報告を聞けば問題は分かります」「仕事が忙しくて、現場に行く時間がありません」などと答えたのです。

 

2:管理者に3現主義を理解させる手法

問題発生時に現場に行き、現物を見て、現実を把握する3現主義は、管理者の基本の考え方です。しかし管理者の中にはこの3現主義を知らなかったり、必要性を理解してないケースもあるのです。3現主義は管理者にとって重要な考え方ですから、次の2項目を理解させることが大切です。

 

1)3現主義の意味を理解する

3現主義とは「問題発生時に現場に行き、現物を直接目で確認して、現実をしっかりと把握してから対策を考えて、問題を解決すること」と言えます。これは管理者の基本の考え方であり、問題発生時には3現主義を守ることが大切です。

 

■現場に行く

問題発生時には管理者は直ちに現場に行きます。現場に行くのが遅いと、問題発生に関する事柄が直されてしまったり、片付けられてしまうからです。現場に行くのが早ければ早いほど、状況を正しく把握することができますから、問題発生時には直ちに現場に行くようにします。

 

■現物を見る

現場に行ったら不良やデータ、機械の故障箇所など、問題の現物を見ることが必要です。

実際に自分の目で見て触ったり、手に取って動かしてみることで 多くの気づきを得ることができるからです。また関係者にインタビューを行い、詳しい状況を把握します。

 

■現実を把握する

現場に行き現物を見た後に、状況を整理して問題点を把握します。最初に現場で収集した情報を整理して確認します。もし不足している情報があれば再度確認を行います。

そしてこれらの情報を元に問題や原因を正しく把握するようにします。そして本当に現場で効果のある対策を立案します。

 

2)3現主義の必要性を理解する

3現主義は問題解決の基本的な考え方であり、管理者が実践すべき事柄です。管理者の中には「現場に行かなくても自分には分かる」「現場に行く時間が無い」などと、3現主義を嫌がる管理者がいます。このような管理者には次の2項目を説明して理解させるようにします。

 

■正確な情報を得ることが出来る

問題の解決で大切な事は精度の高い情報を数多く集めて分析することです。管理者が現場に行かないと正確な情報を得ることは出来ません。例えば機械の異音や不良の症状を言葉だけで正確に伝えるのは難しいのです。現場に行き、実際に見たり聞いたりすることにより正確な情報を得ることができます。また問題発生時に「上司に怒られるのが嫌だ」と考えて、重要な情報を報告しないケースもあります。管理者が現場に行き、関係者にインタビューすることで情報の隠蔽を防止することができ、正確な情報を得ることができるのです。

 

■効果的な対策を立案できる

問題発生時に管理者が現場に行かず「前も同じ問題があったから、今回も同じ原因だ」などと決め付けて、誤った判断をすると対策も間違ってしまいます。間違った対策を実施してしまうと、これに費やした人や時間がムダになり、管理者の仕事が増えることになってしまいます。現場の状況は常に変化していますから、同じ問題でも原因が異なる事があり得ます。管理者が問題発生時に現場に行き、現物を見て、現実を把握することで 効果的な対策を立案できます。また管理者の中には「現場に行く時間がない」と現場に行くのを嫌がる人もいますが、間違った対策を立案して、それを処理する時間を考えれば、現場に行く時間の方が短くて済むケースが多いのです。