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油断大敵を理解させる安全教育

■安全カバーを外して機械を稼働させていた

私はある工場で安全管理の指導を行っていました。管理者と一緒に現場を見回っていたところ、安全カバーが外されたまま、駆動部がむき出しになった状態で機械が稼働しているのを発見しました。私は驚き、すぐに管理者に状況を確認させました。するとメンテナンスの担当者が機械の安全カバーを戻すのを忘れていたことが判明したのです。

 

担当者は「機械トラブルの修理のために安全カバーを外して修理を行いました。その後に他の現場からも呼ばれて急いで移動したため、安全カバーを戻すのを忘れてしまいました。途中で気づいたのですが、少しの時間だけだから大丈夫だろうと思って、そのままにしてしまいました」と答えたのです。

 

■油断大敵を理解させる安全教育

このように、「ほんのわずかな時間だから」と安全ルールを軽視すれば、取り返しのつかない労働災害を招く危険があります。管理者は、現場で働くすべての従業員に対して、油断大敵の危険性を深く理解させる教育を徹底することが重要です。

 

1:安全教育の内容を見直す

安全教育は形式的に行うのではなく、現場で起きうる「油断」がどれほど危険かをリアルに伝える必要があります。油断がどれほど危険な判断かを“実感”させるように内容を見直すことが大切です。

 

■短時間だからこそ危険と理解させる

「ほんの数分だから大丈夫」「終わったらすぐ戻すつもりだった」このような判断が労働災害に繋がるケースがあるのです。安全カバーを外したまま機械を動かすという行為は、短時間であってもリスクが非常に高いのです。従業員には、「時間の長さではなく、安全カバーが外れているという事実そのものが危険である」という考え方を徹底的に持たせるようにします。

 

■過去の事例を理解させる

座学で安全ルールを伝えるだけでは、実際の危険性を従業員が理解するのは難しいです。そこで、過去に実際に発生した事故の事例を使い、「どんな小さな油断が、どういう大事故につながったか」を詳しく説明します。写真や動画があれば、視覚的なインパクトも加わり、記憶に残りやすくなります。事故の背景や当時の判断ミスを詳しく説明することで、油断による危険を身近な問題としてとらえるようにさせます。

 

2:ヒューマンエラーを理解させる

ヒューマンエラーの多くは、「自分だけは大丈夫だ」「わずかな時間だから問題ない」という油断から始まります。安全教育では、こうした心理を理解させ、誰にでもミスは起こるという前提で行動する大切さを教えます。

 

■「慣れ」による油断に気を付ける

長年同じ作業をしていると、危険を感じる感覚が鈍ってしまいます。「このくらい大丈夫」という思い込みが積み重なると、いずれ事故に繋がります。教育では「慣れてきたときこそ要注意」「ルールを守るのは初心者だけではない」といったメッセージを繰り返し伝えることが重要です。

 

■忙しさに流されない安全意識を定着させる

作業に追われる状況下では、「少しでも早く終わらせたい」「これくらいなら大丈夫だろう」といった心理が働き、普段は守る安全ルールを軽視する傾向が強まります。安全教育においては、「忙しい時こそ、安全確認を行う」「時間がない状況でも、安全ルールは絶対に守る」という意識を従業員一人ひとりに深く根付かせることが不可欠です。

 

3:「もしも」を常に意識する

事故の多くは、「まさかこんなことが起きるとは」という想定外の状況から発生します。だからこそ、安全教育では起こり得るリスクを自分事としてとらえ、「もしあの時こうしていたら」と常に考える習慣を身につけさせることが重要です。

 

■シミュレーション教育を取り入れる

机上のルールだけでは危機感は養えません。例えば、「安全カバーを戻し忘れたまま運転を始めてしまったら、どのような事故が起きるか」「保護具なしで切削作業をしていたら、どのような危険があるか」といったシナリオを使って、実際にどういう行動を取るべきかを考えさせます。この教育で学んだ事柄を実際の作業に応用していくように指導を行います。

 

■「最悪の結果」を考えさせる

「この安全ルールを少し省略したらどうなるか」といった問いかけを通して、常に“最悪のケース”を考える癖をつけさせます。「ちょっとくらい大丈夫」と思った油断が、機械の破損や人命の危険につながる、という意識を具体的な例で理解させるのです。こうした教育を繰り返すことで、油断がいかに危険かを感覚として身につけさせることができます。