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作業員に自らコストダウンを行わせる手法

 

 

■作業員がコストダウンを行っていなかった

私はある工場でコストダウンの指導を行っていました。管理者は「現在、コストダウンのためのプロジェクトを進めている一方で、作業員に協力してもらう地道な取り組みも継続しています」と説明しました。特に電気代の削減は作業員の協力が不可欠であり、それを重点的に進めているとのことでした。そこで私は、休憩時間に管理者と一緒に現場へ入りましたが、そこでは蛍光灯や送風機の電源がつけっぱなしになっていたのです。私は管理者に「現状のコストダウンは作業員の具体的な行動に結びついていないぞ」と指摘して、作業員に対するコスト意識の向上と管理方法の指導を行ったのです。

 

■作業員に自らコストダウンを行わせる手法

工場では多くの作業員が働いているため、彼らの協力なしにコストダウンを成功させることはできません。したがって、管理者には、作業員をコストダウンに巻き込み、実際に効果を上げるために、次のようなポイントを理解することが重要です。

 

1:コストダウンの必要性を理解させる

工場で働く作業員がコストダウンの必要性を理解するためには、まず現状のコスト状況と、なぜコストダウンが必要なのかを明確に伝えることが不可欠です。

 

■作業員へのメリットを理解させる

コストダウンは、単に「会社の利益を増やすため」だけでなく、作業員自身の雇用安定、労働環境の改善などに繋がることを理解させます。例えば、「コストダウンが成功して、安定した受注に繋がり、雇用も安定する」といった具体的なメリットを提示することで、作業員はコストダウンを「自分たちのため」の取り組みとして積極的に捉えるようになります。

 

■作業員へのデメリットを理解させる

コストダウンが実現しない場合に、どのようなデメリットが作業員に生じるのかを具体的に説明することも重要です。例えば、「コスト競争力が低下により受注が減少し、人員削減の可能性が生じる」などと具体的な影響を伝えることで、コストダウンへの切迫感を共有できます。ただし、過度に強調して作業員の不安を煽るのではなく、危機感を共有し、一体となってコストダウンに取り組む姿勢を促します。

 

2:ルールを明確化し理解させる

コストダウンの必要性を理解させたあとは、実際に作業員が行動に移せるよう、明確なルール作りとそれを徹底するための仕組み作りが重要です。

 

■分かりやすいルールを作成する

コストダウンのルールを作成する際には、「誰が」「いつ」「何をするのか」をはっきりさせ、誰にでも理解できるようにすることが大切です。こうしたルールは、管理者だけで一方的に決めるのではなく、現場の作業員の意見を取り入れながら話し合い、実際に運用可能な内容にする必要があります。また、決めたルールはポスターや掲示板などを使って視覚的に分かりやすく表示し、誰でもいつでも確認できる場所に掲示します。

 

■管理者による確認とフィードバックを行う

管理者は定期的に現場を巡回し、コストダウンのルールが守られているかを確認します。休憩時間に蛍光灯や送風機がつけっぱなしになっているのを発見したら、その場で「なぜ消す必要があるのか」を伝えて注意を行います。また消している場合は「消してくれて助かるよ」といった感謝の言葉を添えたりするフィードバックを行い、作業員へのルール定着を促します

 

3:コストダウンを習慣化させる

コストダウンを習慣化させるためには、管理者自身が率先して模範となり、コスト意識の高い文化を工場全体に醸成していくことが不可欠です。

 

■管理者自らがコストダウンを実践する

管理者は言葉だけでなく、自らの行動でコストダウンへの真剣な姿勢を作業員に示すことが大切です。例えば、自席の照明をこまめに消す、コピー用紙を節約するなど、日々の業務の中で率先してコスト意識を持って行動する姿を作業員に見せることで、「管理者も真剣に取り組んでいるから、コストダウンは重要だ」との意識を持たせます。

 

■習慣化するための改善を行う

管理者は作業員がコストダウンを習慣化できるような、改善を継続して行うことが大切です。例えば、「電気を消しやすいようにスイッチの位置を改善する」など、物理的な工夫を通じて、誰でも無理なく行動できるように改善を行います。また、現場の作業員からも「ここを改善すれば節電しやすくなる」といった意見を吸い上げます。こうした小さな改善の積み重ねにより、作業員の習慣として根づいていくのです。