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  実践!生産革新道場:管理者が生産性向上に反発する3つの理由とは

 

1:生産性向上に反発する管理者

定期研修先の日本人駐在員から生産性向上に関して相談を受けました。「生産性向上のためにラインのレイアウトの変更を計画しています。レイアウトの変更により人員を削減できるのですが、管理者がどうしても実施しようとしないのです。管理者にはレイアウト変更の効果を数値で説明しているのですが、難しいとか、問題が多いとか、いろいろな理由を付けて実施を拒んでいるのです。私から指示して強制的に行わせてもよいのですが、管理者が納得して実施しないと効果も出ないと思うのです」私はレイアウト変更の計画を確認しましたが、無理なく人員の削減が可能となっていました。特に問題も無さそうなので管理者を呼び出して「この計画をなぜ実施しないのだ」と質問しました。すると「データ上ではそうなるけど実際は難しいでのす」と意味不明のことを言い出したのです。

 

2:生産向上が進まない理由とは

厳しい経営環境を打開するために各工場とも生産性向上の活動を行っていますが、上手く進んでいないケースもあります。その場合の主な理由は次の2項目となります。

 

1)生産性向上のアイディアがない

これは数少ないケースです。通常はどの工場でも問題の工程を把握しており、その工程の改善方法のアイディアも持っているのが普通です。現地管理者が生産性向上の改善方法を理解していないケースでも、日本人駐在員がアイディアを持っていたり、日本からの支援を受けたりなど、工場として生産性向上のアイディアを持っているのが普通です。

 

2)管理者が生産性向上に反発する

実はこれが生産性向上が進まない最大の理由なのです。前述の工場のケースもこれに該当します。私の研修でも生産性向上を取り上げて、プロジェクトを組ませて指導することが多いのですが、私が初期の段階で力を入れるのは生産性向上のアイディア出しではなく、管理者に生産性向上に積極的に協力させる意識付けなのです。管理者が納得しないで進めると反発されるし、強制的に実施させるといろいろな理由を付けて元に戻してしまうことがあるからです。

 

3:管理者が生産性向上に反発する理由

一般的に管理者が生産性向上に反発する理由は次の3項目があります。

 

1)作業員から文句を言われる

手待ちのムダを改善すると今まで体を休めていたつもりの作業員が「仕事が増えて疲れるようになった」と文句を言い出すことがあります。またムダ取りにより生産数量が増えた場合は「生産数量が上がったのだから仕事が増えた」と勘違いする作業員もいます。そのため生産性向上を実施した場合、管理者は作業員から「作業が増えた」「疲れるようになった」などと文句を言われるケースが多いのです。管理者の中には「作業員から文句を言われるのが嫌だ」「作業員が言うことを聞かなくなる」などと考えている人がおり、そのため生産性向上に反発するのです。

 

2)欠勤時の対処が難しくなる

人員削減による生産性向上を進めると、管理者は「最低限の人数でラインを組んだ場合、欠勤者が発生すると面倒だ」と考える人がいます。管理者の中には欠勤者を事前に把握するように作業員の管理を行ったり、欠勤時には他部署と折衝して人のやりくりをするなどの仕事が増えるのを嫌がる人がいるのです。

 

3)4M の変化点管理が増える

最低限の人数でラインを組むと欠勤者の応援を入れることが増えます。そうなると4M の変化点管理を頻繁に行うことになるため、仕事が増えて面倒だと感じる管理者がいます。作業が不慣れな応援者が入った場合、作業が遅れて生産数量が未達になったり、品質問題を起こしたら困る、と考える管理者もいるのです。

 

このように管理者の中には作業員から文句を言われたり、仕事が増えるのが嫌なので生産性向上に反発する人がいるのです。この人達の存在が生産性向上が進まない原因となっているのです。