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              品質は工程内で作り込むことを理解させよ

 

品質管理では「品質は工程内で作り込む」との考え方が非常に大事です。しかし、これを管理者に「品質は工程内で作り込むのが大事だから、しっかり管理しなさい」と説明しても、管理者は具体的に何をすれば良いのか分かりません。私はシンプルに次のように説明しています。「品質は工程内で作り込むことが大事です。具体的には不良品を受け取らない、不良品を作らない、不良品を流さない」と言うことなのです。私はこのように説明した後、管理者が具体的に何をすれば良いのか、次のように説明して理解させるようにしています。

 

1:不良品を受け取らない

「工程内で不良品を受け取らないことなど当たり前ではないか」と考えがちですが、これを作業員に守らせるのはとても難しい事柄です。不良品を受け取らないようにさせるには次の2つの事柄を徹底する必要があるからです。

 

1)不良品だと気付かせる

作業標準書に前工程から製品を受け取る際に、目視検査を行う箇所と方法が記載されていれば、作業員は不良品だと分ります。しかし特に記載がなければ、不良だと気がつかないこともあり得ます。作業標準書に記載されていなくても、「これは不良品ではないか」などと作業員に意識させるには、日頃の品質教育がとても大事です。具体的には工程内で発見できる不良品の内容を定期的に教育して理解させます。これを徹底して行えば作業標準書に記載していなくても、作業員が不良品に気づくようになります。

 

2)異常は直ぐに上司に報告させる

作業員は「これは不良品ではないか」と異常に気が付いても、次々に製品が流れてくる状態で自分の手を止めて確認することは、とても勇気のいることです。作業員は「不良品のような気がするが、作業が止まると迷惑が掛かってしまうから流してしまおう」と考えがちです。作業員がおかしいと気が付いたら、遠慮せず直ぐに上司に報告できるように、管理者は常に作業員に「異常に気がついたら遠慮なく報告してください」と繰り返し説明します。朝礼などで報告を行った作業員を褒めるなど、異常をすぐに報告できる雰囲気作りを行うようにします。

 

 2:不良品を作らない

工程内で不良品を作らないようにするためには、管理者は次の2項目を行うことが必要です。

 

1)不良品を作らない環境を整備する

不良品を作らないようにするためには作業標準書や限度見本などを、正しく整備します。作業標準書は必要に応じて常に更新した最新のものを提示します。限度見本は長期間使用していると汚れたり、限度も変わったりするので定期的に更新します。作業で必要な治具や工具、環境なども整備することが必要です。治具や工具の精度を管理するのはもちろんですが、作業台の高さや照度なども整備することが必要です。

 

2)作業標準書を守らせる

管理者は作業員に不良品を作らせないために、作業標準書を守らせることが大切です。定期的に作業員に作業標準書の教育を行うのはもちろんですが、管理者は作業員が作業標準書を守っていることを確認するためのパトロールなどのシステムを作ることも必要です。新人や交代要員が入ったときの4M管理も大事なポイントとなりますから、管理を徹底するようにします。

 

3:不良品を流さない

品質を工程内で作りこむためには、不良品を絶対に次工程に流さないようにします。不良品を流さないようにするためには、次の2項目の管理を行います。

 

1)自主検査を行わせる

作業員に自分が担当した工程の品質責任を負わせるためには、自主検査を行わせることも有効です。自主検査とは作業終了後にその作業を行った作業員が製品の検査を行い、良品であることを確認してから次工程に流すことです。自主検査では検査項目が多すぎたりするとサイクルタイムが増えて生産性に影響しますから、項目を絞って行うことが大切です。

 

2)不良品のフィードバックを行う

もし不良品を次工程に流してしまった場合、それが発見されてフィードバックが来るようにすれば、作業員は慎重に作業を行うようになります。ですから工程内や検査で不良品が発見された場合は、必ずその作業員を特定してフィードバックを行います。フィードバックを行う際には管理者は作業員にインタビューして「なぜ不良品を作ってしまったのか」「なぜ不良品を流してしまったのか」などを聞き出して、作業員と一緒に対策を立案するようにします。