経費節減によるコストダウン(その10)
ここに来て8月より施行予定である労働者保護法の改正の対応に追われている企業の方も多いと思います。これを書いている時点では詳細の一部に流動的な部分もあるようですが、大筋ではすでに決定事項となっています。今回の改正では労働者側の権利が幅広く認められており、それだけに今後は各企業とも経営力のほかに「労務管理」も含めた自社の「管理能力」が経営に影響して来ると思います。
コストダウンですが1指示書の発行、2指示書の配布、説明、3 経費のグラフの掲示4ポスターの制作まで説明しました。
5 表示の作成
コストダウンは社員が小さな事柄を毎日守ることが大切です。コストダウンで決めたことを守るため、必要な個所への表示を行います。例えば電気やエアコンのスイッチに「出るときには電気を消す」等の表示を行います。これは一種のビジュアルコントロールになりますが、会社によってはトイレなどお客様の協力が必要となる個所では英語の表示を併記しているところもありまし、また言葉を使わずイラストで表示している会社もあります。
6 定期的な説明を行う
毎日の節約が大きな効果を生み出しますから、くどいほど説明して理解してもらわなくてはいけません。そのために朝礼等を利用して何回も経費節減の必要性と守るべき事柄を説明します。この説明で強調してほしいのは「コストダウン」は特別な活動ではなく、日常の業務に含まれている行為であり、品質、納期、生産などと同じレベルで大切なことであることを説明します。またこの説明時には新たな経費節減の方法がないか従業員に質問してみるなどして常に関心を持たせるようにします。
7 職場の巡回指導
コストダウンで守るべき事柄を説明しただけ全員が守ってくれればよいのですが、現実はなかなかうまく行かないものです。そこでコストダウン委員会のメンバーを中心として各課の担当者が自分の職場の巡回指導を行います。これはコストダウンの指導だけ行うのではなく日常の巡回指導の中にコストダウンの項目を入れて確認するようにします。もし守られてない場合はその場で守られていない理由を確認します。指示が不徹底だったり、表示が見えにくないどの問題があれば改善します。また従業員が意識的に守っていないようであれば注意を行ったり、朝礼などで指摘するようにします。特に新たにコストダウンのキャンペーンなどを行う場合は、従業員は会社がどこまで本気なのか見ていますから、ここで管理者が手を抜くと従業員の中には「守らなくても怒られない」と平気で守らない人間が出てきます。そうなると周りの従業員もそれに引きづられてしまうため、結局は誰も守らず掛け声だけに終わってしまいます。ですから導入の最初の段階では会社が本気で取り組んでいる姿勢を見せる意味からも徹底した巡回指導を行う必要があります。