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            経費節減によるコストダウンの進め方(その2)

 

 

前回のコラムを読んだ方から質問を頂きました。「当社でも管理者に利益を上げるために経費節減のコストダウンは大切だと呼びかけているのですが、どうも本気になってくれません。この経費節減のコストダウン導入時の効果的な方法はないでしょうか」

確かに管理者の中には会社の利益を強調すると「いくら会社の利益が上がっても自分に返ってこない」と単純に考えてしまう人もいるようです。実際にある日系企業では経費節減のコストダウンを強力に推進、数字的にも効果が表れた来た頃に一部の従業員から「これだけコストダウンの効果が上がってきたのだから、今年の昇給などで還元してもらえるのでしょうか」との質問がありました。実際に従業員の中には会社が法人税として税金を納めていることなど全く知らず、利益は全て従業員に還元するのが当たり前だと信じている人も大勢います。これは「資本主義における株式会社の役割」を理解していないために発生する問題であり、例えば会社の利益は従業員の手当てだけではなく次の事柄に使われることを常識として理解しておく必要があります。

1 税金の支払い

2 株主への配当

3 企業内蓄積

ただこれらの当たり前の事柄も中卒、小卒の従業員は学校でも教えてくれませんから、知らないのも無理はありません。日本の小学生や中学生でも会社は税金を納めたり、株主への配当を支払わなくては行けないなど株式会社の内容を理解している人は少ないでしょうから、ましてこの国では知らないのが当たり前といえます。やはりこの基礎的な部分は自社で社員教育の一環として教育しておく必要があります。

さてこの導入ですが当社でもタイ人管理者向けにコストダウンセミナーを行っていますが、最近は会社の利益と同時に「環境問題からの経費節減の意義」も説明しています。まずISO14000の流れから説明していき、「資源の枯渇を防ぐ」「環境破壊の防止」などの面からエネルギーの節減が必要であることを説明して行きます。この「環境保護」と言う大義名分を前面に押し出すとこれに反論する人はおらず、心情的にも納得してくれるケースが多いのです。

 

特に学歴の高い人ほど環境への関心が強く、管理者に経費節減のコストダウンを導入する際は動機づけの意味からもこの「環境保護」を取り扱うことは最適といえます。ただし心情的に納得させるためにはただ単に「環境保護」を口頭で説明するだけでは不十分ですので、高学歴である管理者を心情的に納得させるためにも国連から発表されているデータ、各種団体の環境白書などの参考資料をまとめデータとして提示する必要があります。「環境保護」の大義名分に心情的に反発する人はいませんし、人間は誰でも自分の行為が社会的に役立つと感じる場合は、その行為が喜びにすらなります。企業の経費節減のコストダウン導入時には単に「会社の利益」の一点張りではなく、このような「環境保護につながる経費節減」との大義名分を押し出して行き、心情的に納得させ動機づけるにも一つの管理手法といます。

経費節減のコストダウンを進めて行く最初のステップとしては「コストダウン委員会」の組織作りとなります。経費節減のコストダウンは社員全員の協力が不可欠ですから、トップダウンではなく各課の担当者に責任を持ってもらう必要があります。この組織の人選ですが、委員会のメンバーは経費節減の実施状況の確認と指示が守られていない場合の指導などの役割がありますから、現場の監督者クラスではなく、やはり管理者クラスを選出した方が良いと思います。

この委員会には会社側から最初に「コストダウンはイレギュラーの仕事ではなく、管理者の日常業務の中に含まれる仕事だ」と強調しておく必要があります。これを理解していないと「日常業務が忙しくて行う暇がない」と逃げられてしまいます。「コストダウンは特別な仕事ではない。本来、管理者の役割と責任の中に含まれる仕事である」との部分を理解してほしいものです。