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              正しい指示の出し方(その1)

 

 

連載を開始して第7回目となりましたが、多くの読者の方々より記事の内容に関してお電話やファックスなどでご意見、ご感想を頂いております。中には毎回、記事を切り抜き日本人駐在員で回覧している会社や、記事をタイ語に訳してタイ人社員の教育資料に使用している会社もあり、大変嬉しく思いました。また指示書の管理方法をさっそく取り入れたとの会社もありました。他にも取り上げてほしい内容や社内の現状の問題点についてのご相談なども頂き、反響の大きさに驚いております。

 

私自身、タイの日系工場で駐在員として立ち上げから5年間、工場管理を行ってきた経験、そして仕事柄多くの企業の方々と本音の部分で社員教育に携わっておりますので、これからも日本人駐在員、タイ人管理職が実際に現場で使えるノウハウを中心とした記事を連載して行きたいと思っております。

さて、前回は指示書の書き方についてでしたが、今回からはタイ人管理者が一般従業員に指示を出す際に注意してほしい事柄をまとめて行きます。(これらの事柄はもちろん日本人駐在員がタイ人管理者に指示を出す際にも応用できます)日本人駐在員がタイ人管理者に指示を出しても現場の従業員がその指示を守っていないことが良くあります。

 

これには主に2つの理由があり、一つは従業員が管理者の指示を理解しているが守っていないケース。そしてもう一つは管理者の指示がうまく伝わっておらず、従業員が理解していないまま作業を行っているケースです。管理者に現場で指示が守られていないことを指摘すると当人は自信を持って「ちゃんと指示を伝えており、理解しているはずです」と答える場合が多いのですが、実際は指示をうまく伝えていないケースが大半です。それではなぜこのような事が起こるのでしょうか。それは管理者として必要な指示を正確に伝え、理解させる手法をマスターしていないからです。この「指示を相手に伝え理解させる手法」をマスターしておくことは管理者の基本です。

 

この手法を理解せずに上司から与えられた指示を従業員に棒読みしただけで「指示を伝えました」と言っている管理者もいますがこれでは困ります。現実に日本の工場ですら会社の指示を多くの従業員に同じレベルで理解させ、現場で徹底させるのは大変難しいことですから、ましてこちらの工場で朝礼の時に従業員がよそ見をしたり、隣の人と話している最中に管理者が投げやりな態度で指示を1回棒読みした程度では職場の全員が理解できるはずがありません。

何回も繰り返しますが、今私たちと一緒に働いている人達はタイの歴史が始まって以来、初めて会社で働く世代の人達です。ですからこのような指示を正しく伝えるなどの基本の管理手法ですら知らないが当たり前であり、上手に指示を伝えることのできる管理者が少ないのが現実です。また「指示をもっと上手に伝えるように気を付けろ!」と言ったところで何をどのように気を付けて良いのか分かりませんから、会社としても管理者に期待している「指示の出し方、受け方」を教育しておく必要があります。

会社は組織として指示によって動いているのですから、指示が正しく伝わらないと言うのは組織として大変な問題です。もともと現場の従業員は会社の指示や伝達を積極的に聞こうという人は少なく、指示を適当に聞いている場合が多いのですから、管理者が事務的に指示を読み上げるような指示の出し方では相手に理解してもらえません。指示を正確に伝え、相手に理解させるには正しい指示の出し方の手法をマスターして実践してもらう必要があります。次回からは指示の出し方の具体的な手法を説明して行きます。