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                        品質管理の基礎知識(その2)

 

「実践!管理者心得」で品質管理を取り上げていますが、多くのご意見ご感想を頂いており品質に対する関心の高さに改めて驚いています。最も多いのが「品質管理をわかりやすく作業員や管理者に教える教育ビデオはないか」とのお問い合わせです。当社では現在、現場の作業員と管理者向けに品質管理がやさしく学習できる教育ビデオ(タイ語版)を制作しており、6月頃の発売を予定しております。

さて前回はPDCAの概要を取り上げました。当社の管理者セミナーでもタイ人受講者にPDCAを質問するのですが、ほとんどの方が知らないのが現実です。また知っている人でも単に言葉の意味を理解しているだけで実践に結びついていないことが大半です。PDCAは管理の基本ですが、タイ人管理者の多くが計画(PLAN)、実行(DO)までは何とかできても確認(CHECK)が抜けてしまうケースが多いようです。この確認がおろそかになるために問題が発生しても発見が遅れ、処置(ACTION)が後手に回ることが頻繁にあります。

PDCAの4項目はどれも均等の重要性がありますが、ここタイではやはり「確認」が一番大事なことになると思います。この確認の指導方法ですが、単にPDCAの意味を教えて「確認は特に大事だから、実行の後は必ず確認するように」と教えるだけでは駄目です。これでは個人の確認に対する意識、態度のバラツキが解消されないのです。タイ人管理者の中には確認を次のように理解している人もいるのです。

「問題があれば部下より報告があるはずだから報告があるまで机に座っていれば良い」

「部下に確認しとけと指示したから自分は関係ない。確認しないのは部下が悪いのである」「自分が現場で確認する必要はない。部下が現場にいるのだから内線電話で聞けば十分だ」

「問題が発生しているようだが、会議の席で詳しく聞けば良い」

これらは日本人駐在員の感覚ではとても確認とは言えませんが、彼らは本気でこれを「確認」と信じているのです。皆さんも管理者に「確認したのか」と聞いて「確認しました」との答えに安心していたところ、とんでもない問題が発生していることに気が付かず、大変な目に遭った経験をお持ちだと思います。後から「あの時、確認したと言ったではないか!確認していたらなぜ問題が起きたのだ!確認していなったのではないか!」と問い詰めても、彼らの概念では確認していたのですから、「確認したけど問題が起きたのは不可抗力、または部下のせいであり自分が悪いのではない」と結局、お互いに対立したまま終わってしまいます。これが続くと日本人駐在員は「タイ人管理者に確認を指示するより自分で確認した方が早いし確実だ」と走り回ることになり、タイ人管理者も「どうせ日本人が確認するのだから、自分が確認する必要はないだろう」とますます悪循環に陥ってしまいます。

このような問題を回避するためにPDCAで確認を説明する時は確認の具体的なアクションを示す必要があります。当社が行っている管理者セミナーでは確認とは「現場に行き自分の目で確かめること」として教えています。

すなわち「作業を指示した後は必ず進捗状況、結果の確認を行う。この確認とは自分自身が現場に行き、自分の目で確認することである」と定義付けてしまうのです。こうしておけば「確認とは具体的に何をすればよいのだろう?」と悩む人や「部下の報告があるまで机に座っていれば良い」と思う人はいないはずです。またこの定義を社内で決めておけば「確認しました」と聞いて安心していることができるようになります。

このような説明をタイ人管理者に行うと現場に出ることを嫌がって反発する人が出てくることもありますが、これは日系企業で働く上で当たり前のことであると納得してもらう必要があります。