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          「品質管理」の歴史の流れ(その1)

 

駐在員の皆さんも「管理手法」の勉強を進めているとマグドナルドに代表される「マニュアル管理」ディズニーランドの「動機付けによる人間管理」など多くの個所に行き当たることが多いと思います。また兵書や兵法なども現代の管理手法に応用できることが多いため「軍隊」の管理手法などにも関心を持たれたことがあると思います。例えば旧日本陸軍の将校用に作成された「作戦要務令」読んで見ますと次の様な一文があります。「なさざると、遅疑することは指揮官の最も戒むべき所とす。この両者の軍隊を危殆に陥らしむこと、その方法を誤るより更に甚だしきものあればなり」これなどは「指揮官」を「管理職」「軍隊」を「自分の会社」に置き換えれば現代社会でも立派に通じるばかりでなく、今回からのテーマである「品質管理」においても大変重要な考え方であると言えます。

私たちは製造業でもサービス業でも「品質管理」はその企業の命運を左右する大事なことであることを理解しています。しかしこの品質管理の歴史は意外と浅く、品質管理がアメリカで最初に考え出されたのは1924年と言われており、日本に入ってきたのは戦後になります。ここで品質管理の歴史の流れを振り返ってみたいと思います.

1 買手の選別時代
工業化の初期の段階、すなわち商品が単純でメーカーとユーザーの距離が近かった時代には、買手が商品に責任を負うことが当たり前でした。すなわち買手は売手の商品を実際に見て、触って、総合的に判断した上で購入たわけですから不良品をつかまされても「買手が自分で判断して納得して買ったのだから売手には責任はない」と言うのがその理由です。不良品を買ってしまった場合、「交換」「補償」などの概念はまだありませんでしたら、買手は自分の判断が甘かったことを嘆くと同時に、近所に「あの店では不良品を売っている」と言いふらしたことでしょう。店の数が少ない時にはこのようなウワサも効果が無かったでしょうが、経済が発展して徐々に店の数が増えて来ると買手もなるべく不良品が少ない店を選択するようになり、「不良品が多い」とのウワサは売手に致命的となるため、必然的に売手も良い商品だけを店に置くようになってきました。

2 補償の時代
工業化が徐々に軌道に乗りユーザーとメーカーの距離が遠くなってきました。また商品が複雑化したため、買手が商品の善し悪しを自分では判断できなくなってしまいました。このように買手が判断できない以上、売手が商品に責任を持たざるを得なくなってきました。そこで買手に安心して商品を買ってもらうようにするにはどうしたら良いのかを考えて生まれた概念が、不良品を買ってしまった場合は良品に「交換」するという「補償」でした。これにより買手は万が一不良品を買っても良品に交換してくれるため安心して商品を購入できるようになったわけです。しかしこの段階ではまだ商品に「保証書」等はなく「補償」の度合いも売手の買手のケースバイケースに任されていました。